全国で地盤沈下が認められた主な地域と、現在から約260万年前に相当する年代に堆積した地層の分布を下記に示します。両者の分布は重なっており、地盤沈下と地質は密接な関係があることが伺えます。
注)現在から約260万年前に相当する年代に堆積した地層は、年代が新しいため一般に固結しておらず軟弱な地層である。
地下水は生活用水源として古くから利用、開発されてきたが、その利用形態は地下水利用技術(さく井技術など)の進歩と経済の発達に伴う水需要の増大を背景として、さまざまな変遷を経て現在に至っている。揚水技術が近代化する以前の地下水使用量は量的には少なく、自然の涵養量に見合う程度のものであった。しかし、大正の初期から近代的なさく井技術によって深井戸が設置され、自然の涵養量を上回る大量の地下水採取が行われるに従って、地盤沈下の現象が見られるようになった。